小児治験ネットワークは、日本小児総合医療施設協議会加盟施設を中心とした
小児領域に特化したネットワークです
治験とは

治験について

薬ができるまで

私たちは、病気になったときや怪我をしたときに、いろいろな薬を使用しますが、これらの薬は、どのようにしてつくられたのでしょうか。

基礎研究

薬の候補となる新しい物質をみつける

はじめに、病気に効きそうな薬の候補となる物質を探します。薬の候補物質には、自然界の植物、動物、微生物等から発見されるものと、科学的につくられるものがあります。

非臨床試験

動物で薬の候補の効果と安全性を調べる

薬の候補が見つかったら、まず動物に投与し、どのような作用があるのかを調べます。小さな動物(マウス、ラット等)から大きな動物(イヌ、サル等)まで投与することで、病気に効果があるか、どのような副作用が出るか等を調べます。動物の力を借りて新しい薬が生まれていきます。

臨床試験(治験)

人で薬の候補の効果と安全性を確かめる

薬の候補について動物で調べた結果、病気に対する効果が期待でき、重い副作用がないことが確認されたら、人での効果と安全性を確かめるための試験を行います。なお、人を対象とした試験を「臨床試験」といいますが、このうち、国から薬や治療法として承認を受けるために行う試験を「治験」といいます。

国への承認依頼

国の審査を受ける

ここまでの研究や試験の結果をまとめ、国(厚生労働省)に薬の候補を薬として認めてもらうための申請を行います。厚生労働省は、専門家を交えて厳しく審査します。

承認(発売)

薬の誕生

国から承認されてはじめて、薬として多くの患者さんに使うことができるようになります。

薬ができるまでには、薬の候補が見つかってから10年以上の長い年月がかかるといわれています。

治験とは

国から薬や治療法として認めてもらうため、健康な人や患者さんの協力を得て行う臨床試験のことを「治験」といいます。治験には、一般に以下のような段階があります。
なお、治験で使われる薬の候補や薬の候補との比較に用いる薬を「治験薬」と呼びます。

第Ⅰ相(臨床薬理試験)

第Ⅰ相(臨床薬理試験)

主に治験薬の安全性や体の中での動きを調べます。治験薬をごく少ない量から使用していき、どのような作用が起こるのか、体の中でどのような動きをするのかを調べます。

第Ⅱ相(探索的試験

第Ⅱ相(探索的試験)

少数の患者さんに治験薬を使用し、病気に対する効果と安全性を検討します。また、適切な使用量、使い方等についても調べます。

第Ⅲ相(検証的試験

第Ⅲ相(検証的試験)

多くの患者さんに治験薬を使用し、効果と安全性を最終的に確認します。すでに使われている薬との比較、長期間使用した際の効果と安全性についても確認します。

薬の候補が薬になるためには、どうしても人での効果や安全性を調べておかなくてはなりません。私たちが使っている薬は、これまでに多くの方々が治験に協力してくださったおかげで、世の中で広く使えるようになっているのです。
治験は、治療に役立つより良い薬や治療法を、みんなが使えるようにするために必要なものなのです。

治験のルール

GCP(Good Clinical Practice:医薬品の臨床試験の実施の基準)

GCP(Good Clinical Practice:医薬品の臨床試験の実施の基準)

治験には、治験薬の効果と安全性を科学的に調べるため、治療とは別に研究的な側面があります。一方で、治験を適正に行うためには、治験に参加してくださる方々の人権と安全が守られなければなりません。
そのため、厚生労働省は治験に関するルールを定めており、その中で、個人のプライバシーを保護すること、参加いただく方々の安全を確保するために製薬企業及び医療機関の体制、治験の進め方、管理の仕方等を厳格に規定しています(厚生労働省の「「治験」ホームページ」の「治験について 」を参照ください)。

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