はじめに

ご挨拶

国立成育医療研究センター理事長 五十嵐 隆

日本小児総合医療施設協議会長
国立成育医療研究センター理事長
五十嵐 隆

小児治験ネットワークの運営に日頃より御協力・御支援を戴き、心より感謝申し上げます。

医学・医療の進歩は目覚ましく、かつて難病とされてきた小児の重症慢性疾患の治療成績は目覚ましく向上しています。しかしながら、治療成績を向上させることに大きく貢献した新しい医薬品や医療機器の多くは、わが国で開発されたにもかかわらず、海外で治験が行われて薬剤として使用できるようになったものや、海外で開発され、海外で治験が行われて薬剤として使用できるようになったものです。つまり、最近のわが国から小児のための医薬品・医療機器の開発成果は乏しかったといえます。わが国の製薬企業はこれまで小児のための医薬品・医療機器の開発を積極的にはしてきませんでした。その理由にはいくつか考えられますが、小児の難治性疾患は患者数が少なく採算の点で問題があることや治験に使える患者データベースが整備されてこなかったことがあげられます。このような状況を放置すると、これからもわが国から小児のための医薬品や医療機器を新たに生み出せない状況が続いてしまいます。

このような状況を鑑み、日本小児総合医療施設協議会は加盟施設による小児治験ネットワークを構築しております。小児治験ネットワークは、これまで遅れていたわが国の小児分野での治験業務の効率化を図り、製薬企業の開発コストを削減し、小児医薬品開発が魅力的で容易となる環境とシーズを提供し、その結果として、適応外使用の解決、小児医薬品・医療機器の早期開発につなげることを目指します。

現在、小児治験ネットワークへは日本小児総合医療施設協議会加盟施設を中心に全国の35施設が登録しています。登録施設が有する小児の病床数は合計すると約5,500床で、特定の領域に特化した治験ネットワークとしては国内最大級を誇ります。

小児治験ネットワークは今後共同で治験を受託し、臨床研究を推進し、安全対策のための情報収集活動を展開し、より有効な医薬品・医療機器をより早く子どもたちに届けたいと願います。未来を担う子どもたちのために、医療現場発のイノベーションを創出する小児治験ネットワークにこれからも御協力・御支援をお願い申し上げます。

2016年3月吉日