小児CRC部会

対象が「子ども」となる小児治験では、成人治験とは異なる専門的知識が必要です。小児専門医療機関のCRCは施設内で小児領域の教育を受ける機会や最新の知識を得る環境が整備されていますが、それ以外の医療機関では、そのような機会や環境が十分ではなく、専門的知識を得ることが難しい場合も多くあります。
そこで、小児の専門的知識を持つCRCとそうでないCRCが、施設の垣根を超えて連携し、情報共有する場を作ることを目的として、2017年4月にCRC部会が発足しました。
ネットワーク加盟施設のCRCのうち、100名を超えるCRCが部会員として登録しています。

主な活動内容

  • CRC教育研修会の継続運営
  • CRC部会の開催(年1~2回)、グループディスカッションによる相互交流
  • アセント文書改訂に関するワーキンググループの設置 等

2023年度

2024年2月17日(土)開催 on the web

第13回小児CRC部会を開催しました。
第一部では、「医療制度・公費負担と治験~小児を中心に~」と題し、医療費に関する基礎的な概論を株式会社グローバルコンサルティング・ジャパン・西田 俊彦 先生にご講演いただきました。
第二部では、少人数のグループに分かれて、治験業務において医療費に関連して困った出来事等を語り合いました。参加者からは、「テーマが新鮮だった」、「他施設の状況や対応を知ることができてよかった」、「自施設での医事課との連携に活かせる内容だった」といった感想をいただきました。

2023年10月21日(土)開催 on the web

第12回CRC部会を開催しました。
第一部では、「ネフローゼ症候群 ~その病態生理と治療、最近のトピックスについて 」と題し、基礎的な知識から治療の変遷、今後期待される新たな治療のアプローチ等について、東京都立小児総合医療センター 腎臓・リウマチ膠原病科 医長・濱田 陸 先生にご講演いただきました。
第二部では、少人数のグループに分かれて、「服薬指導」について話し合いました。自身が体験した具体的な事例とその対処法について話し合い、明日からの業務に活かせる情報交換の場となりました。

第二部の結果は、参考情報を加えて「治験における服薬指導の体験談」としてまとめました。

2022年度 

2023年2月18日(土)開催 on the web

第11回CRC部会を開催しました。
今回は「移行期医療を考える」と題し、第一部では、地方独立行政法人東京都立病院機構 教育・研究推進センター顧問・本田 雅敬 先生に移行期医療の概論をご講演いただきました。
第二部では、少人数のグループに分かれて、移行期医療の体験談を語り合い、今後CRCとしてできること等を検討しました。一見治験では馴染みの薄いトピックですが、「思った以上に治験においても移行期医療(患者の自律・自立)に関われることがあると分かった」、「今まで意識出来ていなかった事に目を向けられるきっかけとなって良かった」といった感想をいただきました。

2022年10月22日(土)開催 on the web

第10回CRC部会を開催しました。
第一部では、「小児炎症性腸疾患(IBD)の概要」と題し、昨今日本でも増加している炎症性腸疾患について、自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児科 教授・熊谷 秀規 先生にご講演いただきました。
第二部では、少人数のグループに分かれて、「成年年齢引き下げに係る同意取得」について話し合いました。小児固有の事案として取り上げたテーマでしたが、議論のなかでは認知機能が低下した高齢者のケースや医療費制度等についての意見も出され、幅広く活発な意見交換の場となりました。

成年年齢引き下げに係る同意取得の仕方について

2021年度

2022年2月26日(土)開催 on the web

第9回CRC部会を開催しました。
「治験における避妊の説明」と題し、少人数のグループに分かれて話し合いました。
同日午前中に開催された講演会に登壇された思春期保健相談士・中谷奈央子 氏にもオブザーバーとしてご参加いただき、話し合った結果をふまえ、伝え方や参考となる情報についてご意見をいただきました。

2021年10月30日(土)開催 on the web

第8回CRC部会を開催しました。
前回同様webでの開催となりましたが、多くの方にご参加いただきました。
第一部では、「COVID-19ワクチンと小児」と題し、新型コロナウイルスの最近の動向や新型コロナウイルスワクチンの特徴、また小児への接種に関する見通し等について、国立成育医療研究センター 感染症科 医長・庄司 健介 先生にご講演いただきました。
第二部では、少人数のグループに分かれ、インタビュー形式で話し合いました。テーマは「“小児CRCの魅力を語る”座談会」。いつもとは異なる趣向のテーマでしたが、参加者からは『プラスの経験を共有出来て有意義だった。』『モチベーションが上がった。』『聞く姿勢の大切さを経験できてよかった。』といった感想をいただきました。

2020年度

2021年2月20日(土)開催 on the web

第7回CRC部会を開催しました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行のためwebでの開催となりましたが、多くの方々にご参加いただきました。
第一部では、最近診断される症例が増加し、COVID-19との関連が示唆されている川崎病について専門家である東京都立小児総合医療センター 副院長・三浦 大 先生にご講演いただきました。
第二部では、少人数のグループに分かれてディスカッションを行いました。リモートSDVやweb会議によるIRB等、COVID-19流行下で新たに求められるようになった業務やその対応について話し合いました。当部会では初めてのwebによるディスカッションで、慣れない部分もありましたが、横のつながりを持ちにくい社会状況のなかで、他施設の状況を知り、意見を交換することできました。

2021年2月20日(土)会議の様子

2019年度

2020年2月2日(日)開催 in AP東京八重洲

第6回CRC部会を開催しました。
CRC部会では、小児医薬品開発の推進に向けた取り組みの一環として、治験における立場の異なる職種との合同グループディスカッションを行ってきました。
2018年2月に製薬企業、2019年2月にCROモニターとのディスカッションを経て、今回は第3弾として、三者(製薬企業、CROモニター、CRC)合同のディスカッションとなりました。 当日は99名の参加者が12グループに分かれ、4つのテーマについてグループごとに話し合いました。
治験を進めるうえで主要な役割を担う三者が一堂に会する機会をつくることは、目標であり挑戦でしたが、 それぞれの立場から思いを伝え合い、理解し合う様子から、職種間の垣根をなくすための一助となったのではないかと思います。
終了後のアンケートでは「(三者が)グループになってお互いの意見をかわせる機会はほとんどなかったので大変貴重な体験になった。」「またこのような機会を作ってほしい」という声を多数いただきました。
また、参加者から出された意見のなかから、他の医療機関や企業でも取り入れることができそうな取組みを「小児CRC部会からの提案」としてまとめました。

2020年2月2日(日)ディスカッションテーマ
2020年2月2日(日)開催会場の様子